中学生 体験談

早期にわが子の読み書きの困難さに気づき、小学生の頃から検査や指導を継続してきましたが、担任の先生の交代によって、学校での配慮が受けられたり難しかったりする時期がありました。

その影響で、不登校になったこともあります。保護者の方も「どうすればいいのか分からない」と強い不安や戸惑いを抱え、ひとりで悩まれる時期がありました。

中学生になってから学習への意欲が高まってきましたが、自分に合った学び方や、高校入試を見据えて、中学校でどのような配慮が必要なのか分からないことに不安を感じて来室されました。学習特性を詳しく検査し、得意な力を明らかにした上で、本人にも結果をフィードバックしました。

報告書をもとに学校と話し合いを行い、以下のような配慮が認められました。

・テスト問題文へのルビの付与
・ひらがなでの回答を正答として認めること
・数学での計算用紙の使用
・課題はPCやタブレットで作成し、印刷物を評価対象とすること
・英語課題の量や内容の調整
・漢字テストは「読み」を中心にする
・学校配布のパソコンで黒板を撮影できること

ルビ振りや英語への対応など一部は時間がかかる見通しです。

学校との話し合いに報告書を活用することで必要な配慮が形になった事例です。

検査を受けることは、「できないことを指摘するため」ではなく、その子が本来もっている力や得意な部分を見つけて伸ばすためにあります。合理的配慮を受けることも「特別扱い」ではなく、みんなと同じスタートラインに立てるようにするためのものです。

保護者の方にとっても、「困っているのは自分の子どもだけではない」「支援の方法がある」と知ることが、安心につながります。そして子どもにとっても、「自分にはできる力がある」と実感できることが、次の一歩を踏み出す勇気になります。